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自動車業界が電気へと転換をしていくなかでサプライヤーは生き残ることができるのでしょうか?

2021年6月8日 Article 1 min read
Authors:
ダロン ギフォード

未来への変化はすでに起こっていますが、そこに内燃エンジンの姿はないのです。

技術がもたらす業界の変革は非常に緩やかに始まりますが、それは一気に起こるものなのです。

初代iPhoneを例にとってみましょう。2007年に初代iPhoneが登場した時は、多くの関係者(特に既存の携帯電話メーカー)がその革命的な可能性に気づいていなかったため、冷ややかな目線で議論がなされていました。しかしそれから、iPhoneは我々のコミュニケーションや生活を一変させました。そして、予想に反して、既存のプレイヤーを破壊し、産業全体にiPhoneの技術を受け入れさせてしまったのです。

現在の自動車業界はこれと同様の変化点にあるのです。

テスラが2012年にモデルSを立ち上げた際には、電気自動車(EV)は大衆顧客向けには非現実的だと至る所で酷評を受けました。今日でさえ、EVはアメリカにおける自動車のごく一部を担っているのみなので、ガソリン駆動の内燃エンジンの時代がまだまだ続くと考えるのは無理のないことでしょう。

しかし、実際のところは、未来への変化はすでに起こっており、そこに内燃エンジンの姿はないのです。

今年の立ち上がりが大きく期待されている、スタートアップのリビアン、GMのHummer EV Super truck、フォードのF-150 Lightningなどの3つの新モデルがEVの時代の到来をはっきり示しています。全ての主要な自動車メーカーが将来についての調査を行ない、彼らのうちのほぼ全てが新EVの開発へ貴重な投資資本を集中させています。

UBSの分析によれば、2030年までにEVが全世界の自動車売り上げの50%を占めるようになると予測されており、2040年までにはそれが100%になる可能性もあるのです。GMはすでに2035年までにガソリン駆動の車やトラックの販売を止めるという目標を掲げています。その影響は業界全体に徐々に伝わっていますが、サプライヤーが受ける影響が最も深刻なのです。

避けられない変化

世界がクリーンエネルギーと二酸化炭素排出量低下に向けて進んでいくことは不可避であり、それが自動車業界での変化に拍車をかけています。その一例としては、バイデン政権が、気候変動に対処するために税額控除と同様に充電ステーション、大量輸送車、スクールバスへの1,740億ドルの投資計画を立てていることなどが挙げられます。

また、より多くのEVが登場していることによって、すでに規模と量の経済の効果が機能し始めています。それによって、EVは消費者にとって手の出しやすいものになっています。バッテリーや電動ドライブトレーンといったEVの重要部品も急速に安価になっており、早ければ2025年にはEVと従来型の自動車が同等の価格になる可能性があります。充電のためのインフラも急速に広まっているため、EVの走行距離や実現性に対する消費者の不安もなくなっていくでしょう。

確かに、前述の想定には、気候変動に対する政策の転換、緩やかなペースで進むコストダウン、サプライチェーンの問題などのリスクもあります。しかし、これらの問題はEVへの変化を遅らせることはあっても、止めてしまうことはないでしょう。

深刻な影響と成熟したチャンス

これらの技術的な変化は、自動車メーカーからディーラー、ガソリンスタンド、全てのサプライヤーに至るまで自動車業界のあらゆる方面に対して大きな影響を及ぼすでしょう。中でもサプライヤーは最も大きな混乱に見舞われることでしょう。しかし、一方で最も大きなチャンスを手にすることにもなるでしょう。

最終的に、自動車メーカーは、使用する部品に大きな変化はあれど、自動車を作り続けることに変わりはないでしょう。ディーラーは彼らのサービス部門を状況に応じて変化させていくことになり、ガソリンスタンドはガスポンプではなく、充電設備を導入していくことになるでしょう。

対照的に、サプライヤーは存続の危機に直面することになります。なぜなら、彼らが作る特定の製品に対する需要が減少し、消滅していくからです。

例えば、排気管は、これまでの1世紀で非常に重要な地位を占めてきましたが、EVの世界においては何の役割も果たさなくなるでしょう。ガスタンク、燃料ポンプ、給油パイプも同様です。このことはこれらの部品のサプライヤー、そしてその他のすぐに陳腐化するであろう製品に対して何を意味しているのでしょうか?

彼らは最終的には、新しい製品または関連の製品に軸を移していくか、問題を看過したままにするかのどちらかしかないのです。他の過去事例として、ドラムブレーキからディスクブレーキへの変遷を見てみましょう。これらの部品のサプライヤーが事業を売却して抜け出したいと考えたとしても、M&A取引の可能性は著しく限定的であるか、もしくは完全にゼロかもしれません。将来縮小することが分かっている事業に対して誰が大金を投じたいと考えるでしょうか?

自社の製品がEVの需要と重なっているようなメーカーであれば話は幾分か簡単でしょう。例えば、従来のHVAC加熱冷却システムはエンジンによるベルト駆動方式で、エンジンからエネルギーを吸い上げることが可能です。EVにおいては、自動車メーカー及びサプライヤーは熱システムの効率を上げて、バッテリーを冷却し助手席の温度を適切にするための最適なアプローチを模索しています。もしかすると、排気管メーカーは、彼らの貴重な技術知識を活かして、EVバッテリーによって生じる熱を相殺するようなスマートな熱システムを作り出すことができるかもしれません。

自動車業界のサプライヤーにとっての難題は、一歩引いて自分たちが立つべきポジションの構想を考え、その専門性をEVの未来に向けてシフトさせていかねばならないことです。彼らはEVメーカーが直面する問題をいかにして解決できるかを全体を見据えて考える必要があるのです。

サプライヤーの成功事例として、Nexteerを考えてみましょう。彼らは、2000年代初期に支配的な地位を誇っていた水力ステアリングシステムが電力ステアリングシステムに取って代わられるだろうということに早々に気がつきました。そして彼らは、ビジネスの軸を移し、ステアリングシステムに関する新技術のプロバイダーとして、先進的な立場になったのです。

Nexteerのように、サプライヤーは自分たちのコア技術を使ってどのように新しい部品にシフトしていくのかを考えるべきです。これに対する答えは、自動車運転で必要とされる異なるタイプの車内環境からバッテリー温度及び安全保護構造に絡む課題に革新的に取り組むための手法まで多岐に渡ることでしょう。

サプライヤーは「顧客は常に正しい」という信念を適切に受け入れてきましたが、これは顧客が一昔前に要求していたものを受け入れるのとはわけが違います。数年先に価値を失うことを避けるには、産業がどこへ向かっているのかを理解し、計画を立ててすぐにでも行動を起こしていく必要があるのです。

この記事はオートモーティブニュースから発信されました。

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