経営課題
NAL社は、製品あたり平均 50 個以上の子部品が必要なヘッドランプとリアランプを月数約百万個製造し、米国内の自動車メーカーのみならず、世界中の自動車メーカーとサプライヤーと取引きしています。その製造工程は非常に複雑であるにもかかわらず、90 年代に開発された旧型生産管理システムと複数のアドオンソフトを管理、運用していました。しかし、システム管理費削減のため、また顧客自動車メーカーからの要望にいち早く対応するため、NAL社は、優位性のある在庫管理と生産計画機能を併せ持ち、かつデータの一元管理と視覚化を可能にする新世代基幹業務システムを必要としていました。また、生産量の多さと業務の複雑さゆえ、会計、生産管理、出荷、取引先とのEDIや製造設備との統合など多領域において業務プロセスを見直す必要がありました。また、NAL社は、日本の親会社から承認を得る課程でのサポートも必要としていました。
最終的にNAL社は、PLEX システム導入とプロジェクト管理の支援パートナーにプラントモランを選択しました。その主たる理由は、プラントモランの10年以上に及ぶグローバル企業へのPLEX導入実績、自動車業界サプライチェーンにおける豊富な知見と経験、独自の効果的なユーザー教育プログラム、製造設備との統合 (PLC) 構築支援実績の他、豊富な J-SOX(日本版 SOX)内部統制支援サービス実績や日系企業向けサービスに特化したコンサルタントチームの存在などが挙げられます。
解決策
PLEX 導入決定前に、プラントモランのコンサルタントは、NAL社の業務要件を満たす最適な統合型基幹業務システムを評価するためのシステム選定プロジェクトに参画しました。この選定プロジェクトの主目的は、どの生産設備が新システムに統合されるべきか、必要なハードウェアは何か、満たすべく顧客要件は何か、各領域業務要件は何かを明確にすること、また製造設備との統合(PLC)の必要性を判断することでした。NAL社の反復的製造工程と自動車業界の要件をふまえ、結果的にプラントモランは、PLEX が人、テクノロジー、業務面での融合に最適であり、汎用性においても将来のNAL社の成長戦略に十分対応可能であると結論付けました。
このシステム選定作業においての難題は、日本の親会社から承認を得ることでした。そこでプラントモラン日系企業部の日英語バイリンガルチームが、日本本社役員向けに PLEX システム導入計画書から導入プロジェクトの日程表と費用見積、また PLEX システム導入前のシステム環境精査の結果報告を含む説明資料一式を作成し、NAL社経営陣を支援した結果、無事本社にて承認を得ることが出来ました。
導入プロジェクト開始後は、プラントモランのコンサルタントチームが、5,600人ものユーザーへの教育を含め担当し、4拠点ある生産工場での導入支援を18ヶ月で完了しました。導入中もプラントモランの日英語バイリンガルスタッフが、定期的に本社役員へプロジェクト進捗状況の報告をし、また PLEX の正式稼働開始時期の決定において承認が必要な段階では、本社を直接訪問し説明しました。
ベネフィット
プラントモランは、NAL社の経営課題であったデータの一元化と視覚化を可能にする基幹業務のプラットフォーム構築に貢献し、またユーザー教育面でも計画期間内に予算内にて PLEX システム運用に不可欠なユーザー教育を完了しました。当初の目的であったシステム管理費削減に寄与し、効率性を重視した各業務領域におけるプロセス標準化を支援しました。また、PLEX 導入プロジェクトの進行中、J-SOX と PLEX の双方に精通するプラントモランコンサルタントが、新システム導入により変更される業務レベル統制の整備状況を事前に評価することで、通常であれば稼働後に実施される文書化や監査スケジュールを早期化することを可能にしました。
その他の導入の特徴
- 在庫の精度が向上。導入前は2-3日要していた手作業の実地棚卸業務を排除。一工場では棚差が許容範囲内にまで大幅に縮小
- モバイルスキャナーを全出荷業務で活用し在庫数量の調整工数を削減
- 製造設備との統合(PLC)を200以上の生産設備に導入
- 複数の顧客と取引先向けの特殊な出荷検査要件に対応
- サプライヤーEDI とネット上のサプライヤーポータルを活用し、95%以上の購入部品を PLEX のバーコードラベルにて連番管理
- 従来の工程間かんばんをなくし、PLEX の電子かんばん機能により中間在庫を管理
- デマンドキャスター生産管理機能(PLEX MPS)を使い、生産計画を平準化
尚、自動車照明機器の業界トップであるNAL社の最新動向は、NAL.com にアクセスしてください。