Skip to Content
2019年6月25日 Article 5 min read
組織がデータを完全に活用できるまでにはいくつかの成熟段階―大量のデータに足を踏み入れる瞬間から、データアナリティクスを上手く活用してイノベーションや市場差別化を図るまで―があります。貴社は今そのどの段階にいますか?またどのレベルを目指していますか?
Three people looking at computer screens

私たちは直感的に過去の教訓に頼りながら最良と思われる道を選択しています。私たちはそれを経験と呼び、過去に起きた出来事を省みることでよりよい結果を導き出そうと努力します。しかし、組織の成長・複雑化が進むことで、また日々生み出されるデータが飛躍的に増大するにつれて、これまでの洞察力や直観力だけでは適切な判断を下すことが難しくなってきました。この「情報時代」により良い経営判断をするためには、データをいかに上手く活用して正しい情報に基づいた意思決定を下せるかどうかが鍵となります。

データ・アナリティクスはビジネス・オートメーションに続いて進展すると考えられており、効率性と実効性が更に進むと考えられます。しかし、データ・アナリティクスの礎となるデータが正しくなければ意味がありません。質の悪い情報を基に意思決定した場合、そのリスクは経験のみを頼って意思決定する場合のリスクと同程度、またはそれ以上に高くなる可能性があります。多くのアナリティクス・プログラムが上記のリスク、または正しい情報の重要性を十分理解されない状態で実行されているのが現状です。皆さんの組織はどうでしょうか?各段階で発生する可能性のあるリスク及び利点は十分理解されていますか? 

ビジネス上の意思決定プロセスを表す図式

ビジネス・アナリティクス レベル1:オポチュニスティック

多くの場合、このレベルの行動はアナリティクスの実現への最初の取り組みとして必要に応じ実行されます。ビジネスパフォーマンスを説明・理解する上で生じるギャップを埋めようとする創造的な個人、またはフラストレーションを持つ個人によって促進されるのです。そのアウトプットは様々なレポートツールで可視化されますが、Excelが使用されるケースが多くあります。このレベルでは品質管理はほとんど行われません。多くの場合、データは手動で入力または更新され多くの労力を要します。エラーが発生しやすく、データは個人のデスクトップに保存されるケースが多いでしょう。データは電子メールを使って共有するかサーバーに保存する程度にとどまるため、データの共有は限定的です。複数の人物がさまざまなデータ、解釈、エラーに基づいてレポートを作成するため、矛盾が発生しやすく、再現が難しくなります。一方で、データの成熟度は低いにも関わらず、新しい視点や見方を提供してくれるという理由からレポートはしばしば前向きに受け入れられます。

このレベルでの投資は根本的に質が低くなりがちですが、それに対処するための管理はできていません。よって誤った方向へ進んでしまうリスクが高くなります。もし貴社がこの状況に置かれているのであれば、現在存在している個々のプロジェクト内容を全て確認し、それぞれのプロジェクトにおいて一貫した要件を特定する必要があります。これにより、組織はアナリティクスに必要な潜在的要素を定義・定量化し、投資とアウトプットに対するより均一なアプローチを確立することができるのです。

ビジネス・アナリティクスレベル2:非連携的

このレベルにおけるアナリティクス・イニシエティブで特徴的なのは、データが部署レベルでのみ共有されているとう点です。アナリティクスへの投資は企業全体で見ると多数に及びますが、その際に用いるアプローチ方法、キャパシティ、ケーパビリティ、ツールは部署毎に異なります。各部署それぞれが固有のパズルの一片を持ってはいるものの、他の部署との共有・連携が取れていないがためにその全体像を知ることができません。部署レベルでリソースへの投資がしっかり行われているためにレポーティングは高度ですが、その成熟度とベストプラクティスは低・中程度にとどまります。情報共有されていないことが原因で広範囲での採用も限定的です。

このレベルでの投資は中規模なものとなりますが、作業の重複が発生することを考えると不経済的になる可能性が大きく、また投資判断が未熟であるために投資が繰り返し行われてしまう可能性もあります。これを改善させるにはアナリティクスに投資を行うすべての部署が連携を取り、その代表者は以下について話し合う必要があるでしょう。

  • アナリティクスが目指すビジョン、成功基準、ロードマップ及びギャップ評価。
  • 「不可能なことを追い求めず(art of the possible)」基準の可視化シナリオ。
  • 主要なスタンダードと業務ルールの特定。
  • 情報を迅速かつ効率的に統合・伝達するためのツールや資源の評価。

ビジネス・アナリティクス レベル3:企業経営

このレベルは、通常データ主体の組織を目指しているエグゼクティブレベルによって推進されます。一部のレポーティングはまだ部署レベルにとどまるものの、部署間で情報を共有しようとする積極的な取り組みが見受けられるようになります。情報共有が行われることで経営層はより深い洞察を行うことができ、会社の業績及び運用に関してより正確な状況を把握することができます。データの共有が進むにつれてセキュリティはより重要な鍵となり、一元化されたレポート体制が整うことでデータガバナンスが加速されます。データ・アナリティクスが実現されるためには、データは洗練され、標準化され、習得され、そして設計されたものでなければなりません。ここでは、プロセスと連携が特に重要になります。

データの共有が進むにつれてセキュリティはより重要な鍵となり、一元化されたレポート体制が整うことでデータガバナンスが加速されます。

企業レベルのプロジェクト投資・範囲は急速に拡大しやすいため、優先順位を決めること、またフォーカスエリアを決めることが重要であり、目標達成のためには段階的にプロセスを踏むことが欠かせません。今後拡張するポテンシャルを持つデータアナリティクスの環境を整え、管理可能なターゲット(通常はレポートやダッシュボード)を設定し、採用と投資利益率(ROI)を拡大させるには、トレーニング、データ管理、データガバナンスが非常に重要になります。

ビジネス・アナリティクス レベル4と5:予測的及び規範的

企業レベルでデータはより高度に活用されるようになります。これにより、ユーザーは複数の「仮説(what-if)」に触れることができるのです。統計モデル、予測、機械学習、人工知能がそのプレゼンスを増し始め、資源性能、モデル、プロセス、ツールがより複雑・専門的になっていきます。投資活動はこれらの分析の結果を基に行われるため、ガバナンスとプロジェクト管理が極めて重要になります。アナリティクスが頭角を現すことで運用有効性が上がるだけでなく、イノベーションと市場差別化に影響を与え始めるでしょう。このレベルのアナリティクスを実現するためには、データに精通している人物、並びに事業プロセス、オペレーション、競争市場に見識のある人物との強力な連携が不可欠です。

貴社が現在どのレベルにいたとしても、現在所有しているデータを積極的に活用する方法が必ず存在します。貴社にとって最適な投資レベルを見つけること、そして改善点を特定することが重要です。アナリティクスの実現に向けて弊社のITチームが皆様の投資活動をサポート致します。データを活用してビジネス価値を最大限引き出すために、戦略、アーキテクチャ設計、研修、ロードマップの観点から皆様をサポートさせていただきます。詳細についてはぜひお気軽にご相談ください。